kintoneを使う(5) ~フォームカスタマイズを試す
フォームレイアウト
アプリを選択し、フォームのカスタマイズ画面を起動します。
フォームの特徴は、単純にスペースがあるだけ、左上詰めで配置するという仕様のようです。Dynamics 365はタブ、セクション(「グループ」相当機能)を配置し、その中にフィールドを配置します。この点でレイアウトの自由度が高いといえます。
スペースが必要な場合は「スペース」のフィールドを配置することで配置が可能です。
フィールドラベル(「日付」のようなもの)は上配置。これは変更できなさそうですが、特に問題ないと思います。フォームの右にはコメント機能が搭載されるので、幅をとらないようにする工夫だと思います。Dynamics 365では左配置がデフォルトです。
カスタマイズできない部分かと思いますが、ヘッダー部分が少々広いと思います。Dynamics 365もそうですが、ヘッダー部分が広いと楯スクロールが発生します。極力これがないように配置したいものです。
フィールドタイプ
Dynamics 365との差を感じるものをピックアップしてみたいと思います。
ラベル
データを登録するのではなく、文字列を記載する場所として定義されるもののようです。Dynamics 365では、セクション名として記載することができますが、任意の場所に配置しにくいのでこちらのほうが柔軟性があるように感じます。
リッチエディタ
入力値を修飾して保存する機能であると思われます。
Dynamics 365にはありませんが、用途が今一つつかめません。
数値
シンプルです。必要十分な機能が搭載されていると思います。
Dynamics 365では数値を扱うフィールドが「整数」「10進数」「浮動小数」「通貨」と様々存在し、それぞれ制御が可能ですが、若干過剰に思えます。
単位記号を前後につけられるのはよいと思います。
ただ、通貨がないとグローバル対応で課題が発生しそうです。
とはいえ、多くの場合で為替をどう扱うかの問題が発生し、標準的な機能ではうまく賄いきれないことが多いです。発生する場合に考えればよいかもしれません。
Lookup
Dynamics 365でも同様の機能があります。
ただ、Lookupした後に表示されるリンクフィールドを柔軟に選択することはできません。エンティティのプライマリーフィールドが常に表示されます。
一方、Dynamics 365ではデータを絞り込むことができます。
企業Lookupと担当者Lookupが存在する場合、多くのケースでは企業で選択した担当者を選択します。こういった場合に絞り込んで選択する標準機能が搭載されています。
レコード番号
連番でユニークなキー情報だと思います。
Dynamics 365には内部には存在しますが、画面上に表示することはできません。
柔軟な連番設定はできないと思いますが、これだけでもあると楽だと思います。
比較して思うこと
必要十分な機能は備えていると思いますし、総じてDynamics 365よりよい印象です。
差分としてDynamics 365に存在する有効なフィールド機能は以下だと思います。
・所有者の概念
レコード保存時の初期ユーザー値かつ変更可能なユーザーLookup。
所有者と部署階層で権限を細かく制御します。
・状態の概念
レコードにはアクティブと非アクティブの状態を持ちます。
初期値はアクティブであり、非アクティブにすることで読み取り専用になります。
論理削除的な概念であり、「ステータス」値で制御します。
・通貨
数値の記述で触れましたが、通貨や為替レートの概念。
ドルで登録したデータを円に変更したりする場合にレートに応じて変更されます。
・業務ルール
JavaScriptで制御するような一部の簡易機能をGUIで設定できる機能です。
「チェックをいれたら、一部のフィールドを読み取り専用にする」
というようなものは設定できます。アプリアクションに近い機能です。
・ワークフロー
ステータスとチェック項目を矢羽で表示する業務プロセスフローや
レコードの保存時にデータを加工する一部の簡易処理をGUIで設定できる機能です。