勉強会コミュニティー ~ユーザー主導の活気あるオフラインコミュニティー
業務アプリのコミュニティーは盛り上がりにくい
プログラマーやインフラエンジニアのコミュニティーは多く存在します。
業務との距離が遠く、情報流出のリスクのようなことも少なく、Techな内容になりやすいため、うまく補完しあうのだと思います。
一方、業務アプリの世界は、広げにくい世界なのであろうと思います。業務ノウハウは提供しにくいし、Techの内容はそれほど求められなかったり、個別過ぎて使えなかったり、機能のアップデートがそれほどなかったり。
kintoneのコミュニティーチームはすごい
立ち上がりは間もないと思いますが、各地で3回を超える開催がなされています。
勉強会には3回の壁があるように思えます。継続をするにはパワーが必要です。
同じ理念の下にいるからでしょうか。製品のドメインが広いからでしょうか。
多くのメンバーがチームとして活動している印象を受けます。
比較して感じること
Dynamics 365のコミュニティーはほとんどありません。
Salesforceのコミュニティーですら、規模に対して今一つという感じに見えます。
開催されている多くのものもSIerの企業セミナーという印象をうけます。
開発者向けサイト ~step by stepの丁寧さ
画面キャプチャーやステップが丁寧に記載
※https://developer.cybozu.io/hc/ja
参照されやすいサイトだと思います。
申込み手順からカスタマイズの手順が丁寧に記載されています。
よいと思った点は以下です。
- 開発者ライセンスがある。※1年と記載があるが、自動更新で金額が発生しないとも記載ががあるので、実質的に永続ライセンスのように思えます。
- 間違いやすい手順が画面キャプチャー付きで記載がある。
- カスタマイズの種類が何種類あり、どのように使い分けるのかの記載がある。
- フォーラムやQAが盛んに利用されている。※トピックの文字列検索ができるとよいと思います。よいと思った点は以下です。
比較して思うこと
※https://www.microsoft.com/ja-jp/dynamics365/developers
Dynamics 365のトップページには、ほとんど情報はありません。
msdnやtechnetフォーラムには同様の記述がありますが、丁寧さと活気は周回遅れという感じです。
kintoneブログ ~定期的な情報発信
ちゃんと定期的に発信
※https://kintone-blog.cybozu.co.jp/
各メーカーのサイトにもブログはありますが、「ちゃんと」情報発信されているものは多くありません。テーマにも拠りますが、2週間に1回以上発信されていると更新されているなと感じます。
Tips/となキンは面白い
kintoneは利用を開始すると真っ白な何もないサイトからスタートします。
このような状況で必要な情報はどうつかえるか。
これをSIer任せにするとあまりうまくいきません。SIerはノウハウの蓄積とサービスの差別化を主眼するため、情報公開のモチベーションは優先順位が下がります。
社内から情報発信をする、複業者の利用シーンを公開するというアプローチはよいシステムだと思います。
アプリ紹介の充実を
何ができるのか、は事例を参考にすると色々記載がありますし、
各コミュニティー活動も盛んなので、情報を取得することはできそうです。
ただ、集約された情報から探すということが少し難しいように思えます。
比較して感じること
※https://community.dynamics.com/b/dynamicsblog-ja-jp
頻度も大事ですが、顔が見えることは重要だなと思いました。
いい雰囲気のブログはたいてい顔が見えて生き生きと投稿がされています。
少し読んでみようかなと思います。Dynamics 365は少し距離間を感じます。
製品資料 ~導線が少し残念
豊富な資料
※https://kintone.cybozu.com/jp/feature/date.html
基本資料、イメージ、ステップバイステップのマニュアル、動画集と一通りの情報がまとまっています。「無料お試し」を開始後のメールにリンクされてもいいように思います。ただ、この画面にたどり着くには下部のサイトマップから遷移する必要があり、少々もったいない導線であると思います。
※トップページの右上部にありました。
比較して感じること
※https://www.microsoft.com/ja-jp/dynamics/crm-customer-center/microsoft-dynamics-365-user-guides.aspx
残念ながら、Dynamics 365にはマニュアルに準ずるものがほとんどありません。
あるとしても画面キャプチャーがないものがほとんどです。この点で、利用者はほとんどのケースでSIerと一緒に構築を行う必要性があります。
サポート ~情報公開が特徴的
主に購入後の情報サイト
※https://kintone.cybozu.com/jp/support/
購入後に発生しうるタスクの情報がちりばめられていると思います。
これだけ情報が充実していると、顧客だけでなく、SIerにも優しいと思います。うまく自己解決を促せているサイトだと思います。
情報公開と稼働率
不具合情報や稼働率も公開されているところが紳士的であると思います。
特に稼働率は、ここ1年99.98%程度であり、1カ月あたり、5分程度と比較的安定していると思います。
比較して感じること
※https://www.microsoft.com/ja-jp/dynamics365/contact-us
kintoneは情報が充実していると思います。Dynamics 365は自己解決が難しいです。
また、Dynamics 365の稼働率は公表されていませんが、年に1、2回大きな障害があるイメージです。今年も3月末の夜間に1時間以上の停止がありました。ただし、毎月定期メンテナンスをするということはありません。メンテナンスは四半期以上の週末夜間に1回、15分程度と記憶しています。
料金を調べる ~お手頃でわかりやすい設定
シンプルなベースサブスクリプション体系
※https://kintone.cybozu.com/jp/price/
ベースのサブスクリプションは2種類。開発機能がなく、アプリ数などが限定されるライトコースとそうでないスタンダードコース。
利用を始めるとかゆいところに手が届かないことがあるのはどの製品も同じなので、スタンダードコースを多く利用されていると思います。
ゲストユーザーオプション
以前の投稿で記載したとおり、ゲストユーザーの追加に関しては少々高いように思えます。ただし、本契約ユーザーと同等の機能を提供すると考えた場合、このくらいの形式でもよいのではと思い直しています。機能制限を複雑に求めるとシステムは煩雑化します。
課題としては、代理店管理のようなことをする場合どうするか。
Dynamics 365の場合、直接Dynamics 365画面を触らない限りにおいて、外部ユーザーにサブスクリプションは発生しません。ですので、スクラッチの画面を作成し、これを経由して管理をするような構成をとります。
kintoneでも同様のことができるのではと推測します。
ディスク追加オプション
一見高く見えますが、おそらく追加オプションを多く利用することは少ないのではないかと思っています。どちらのサブスクリプションでも1ユーザー毎に5GBの容量を持つためです。ただし、ドキュメント管理をkintoneで行う場合には注意が必要になりそうです。Dynamics 365ではSharePoint Onlineと連携して、ドキュメント本体はSharePoint Onlineに格納するような構築を行います(SharePoint Onlineは数TBのディスク容量を本体サブスクリプションに包含)。
比較して感じること
※https://www.microsoft.com/ja-jp/dynamics365/pricing
Dynamics 365では、1ユーザー月額10,000円程度の基本サブスクリプションを複数契約することでスタートが可能です(多くの契約形態があり、あいまいな記載としています)。
kintoneに近いサブスクリプションは「Team Members」というものになり、
掲載価格で1ユーザー月額870円ですが、一部のエンティティ(アプリのようなもの)
へのアクセス制限や管理機能(アプリ自体を作るような機能)はありません。
この辺の複雑さが購入に影響を与えているように思えます。
事例から学ぶ ~多くの多様な達成
事例はプロジェクト成功とフォローアップの証
※事例から学ぶ|サイボウズのクラウド型データベースアプリ「kintone」
事例が掲載される条件は、成功して取材に応じてもらえる状態であることと成功プロジェクトをサービス提供者がフォローアップしていることだと思います。
数と幅
80件の事例。多くの協力がなされて掲載がされていると感じます。
また、事例の幅が広いことも特徴的と感じました。
毎日放送の事例では、AWSプラットフォームでの動画配信とkintoneプラットフォームでのコンテンツ管理が紹介されていました。
構築ベンダーのcloudpackはkintoneのベンダーではありませんが、kintoneが提供するAPIを利用して短期間で構築をされているようです。
つながりやすいアーキテクチャーが幅を広げていると感じました。
事例の今後
アプリケーションがインストール型からクラウドにシフトし、サービスの継続が求められるように、事例も継続性が見えるとよいのではと思います。
(どのサービスであっても)多くの事例は導入直後であり、1年後の再インタビューのようなものがあるとより説得力をもつものになると思います。
また、Cybozuらしく、チームワークの観点の変化を大項目として設けてもいいと思います。
比較して感じること
※https://www.microsoft.com/ja-jp/casestudies/search.aspx?prd=PB010
事例数
kintone 80件
Dynamics 51件
Salesforce 100件以上
Salesforceの多さが目立ちます。
あまり多くの分析に時間をかけたくなかったため、Salesforceをあまり
見ていませんでしたが、注目すべき量であると思いました。